ソースに絡まるエスカルゴ

貧弱プログラマの外部記憶装置です。

【Raspberry Pi】Raspberry Piの最低限のセットアップ方法(MacOSからの場合)

 Raspberry Piのセットアップ方法を毎回調べるのは面倒なので、ネットに繋いだり日本語入力をできるようにしたりなどの最低限の設定方法を備忘録として残しておこうと思った次第です。

 Raspberry Piとタイトルにありますが、Raspberry Pi Zero Wなどでも同様の手順で環境構築をすれば問題ないです。

 ちなみに今回はMacでの手順となり、Windowsでは違う手順になる場合がありますのでご了承ください。

 では始めます。


0:Raspberry Piを動かすのに必要な一式を揃える
 Raspberry Pi本体だけを購入しても動かすことはできません。基本的なことですが以下のものが必要になります。

1:Raspberry Pi 3 Model B+(Element14製) - スイッチサイエンス
 Raspberry Pi本体。

2:ラズパイ3Bおよび3B+に最適なACアダプター 5V/3.0A USB Micro-Bコネクタ出力 - スイッチサイエンス
 Raspberry Pi用の電源。USB Micro-Bコネクタ。5V-3Aのものが良い。(最低でも5V-2.5A)

3:シリコンパワー microSDHCカード 16GB
 Raspberry PiのOSとストレージを入れるためのもの。OS自体が4GB以上あるため、最低16GB以上のMicroSDカードを用意しておくのが良いと思われる。

4:【Bonss】モニター 7インチ ディスプレイ 内蔵スピーカー Raspberry Pi用 1024*600解像度
 HDMI接続のモニター。すでにお持ちであればそれでも良いですがRaspberry Pi専用のモニターであれば取り回しのよい小さめのサイズがオススメです。

5:Amazonベーシック USBマウス MSU0939
 USB接続のマウス。USB接続であればなんでもよいです。

6:エレコム 有線ミニキーボード 静音タイプ
 USB接続のキーボード。USB接続であればなんでもよいです。

7:PC
 Raspberry PiのOSを書き込むために必要になります。

※特に電源のボルト数とアンペア数には気をつけてください。またMicroSDカードについてはどの程度の使うかを考えて最適な容量のものを買うようにした方が良いです

 以降はこれらの一式が揃っているという前提で始めます。


1:Raspbian(Raspberry Pi用のOS)をMicroSDカードに書き込む
www.raspberrypi.org
 始めに上記のRasoberry Pi公式のダウンロードページからRaspbian(Raspberry Pi用のOS)をダウンロードします。

 末尾が「DESKTOP」となっているものと「LITE」というものの二種類ありますが「DESKTOP」の方をダウンロードしてください。(2GB近くあるので気長に待ちましょう)
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 ダウンロードしたzipファイルを解凍すると以下のようにimgというイメージファイルができます。(今回はファイル名が「2018-04-18-raspbian-stretch.img」。5GB近くある)
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 イメージファイルの準備ができたら以下のページから「SD Card Formatter」をダウンロードしてインストールします。

 インストールできたらRaspberry Piで使用するMicroSDカードをPCに接続した状態で「SD Card Formatter」を起動させます。
 すると以下のような画面になるので「カードの選択」というところに出ている「disk●●」という部分をメモしておきます。
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 新品のMicroSDカードでない場合や何が入っているかわからない場合は、上書きフォーマットを選択した状態で「フォーマット」ボタンを押してMicroSDカードをフォーマットします。

 次にターミナルを立ち上げて以下の2つのコマンドを実行します。

$ diskutil unmountDisk /dev/{disk●●}
$ sudo dd if=/{イメージファイルまでのパス}/{イメージファイル名}.img of=/dev/r{disk●●} bs=1m

 1つ目のコマンドでMicroSDカードをアンマウントし、2つ目のコマンドでイメージファイルをMicroSDカードに書き込んでいます。

 具体的な例としてメモしたdisk●●が「disk2」、イメージファイルまでのパスが「Users/hogeイメージファイル名が「2018-04-18-raspbian-stretch.img」の場合は以下のコマンドになります。

$ diskutil unmountDisk /dev/disk2
$ sudo dd if=/Users/hoge/2018-04-18-raspbian-stretch.img of=/dev/rdisk2 bs=1m

 MicroSDカードに書き込むのにはしばらく時間がかかるので気長に待ちます。

 進行状況は表示されませんが、書き込んだバイト数などが表示されていれば書き込みは完了しています。
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2:Raspberry Piを起動させ、表示言語などの設定を行う
 Raspberry Piに1のMicroSDカードを差し込み、キーボードやマウス、モニターを接続して電源を入れます。

 しばらくするとデスクトップの画面になるので、以下のように左上にあるRaspberry Piのボタンを左クリックして「Preferences」→「Raspberry Pi Configuration」を選択します。
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 出てきたダイアログの「Localisation」タブを開いて「Set Locale」ボタンを左クリックします。
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「Locale」画面が出てくるので、Languageを「ja(Japanese)」、Countryを「JP(Japan)」、Character Setを「UTF-8」に設定して「OK」ボタンを左クリックします。
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 次に「Set Timezone」ボタンを左クリックします。
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「Timezone」画面が出てくるので、Areaを「Japan」に設定して「OK」ボタンを左クリックします。
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 次に「Set Keyboad」ボタンを左クリックします。
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Keyboad Layout」画面が出てくるので、Countryで「Japan」を選択して出てきた中にある「Japanese(OADG 109A)」を選択して「OK」ボタンを左クリックします。(接続しているキーボードにあったキー配列を選択する必要がありますが、大体は「Japanese(OADG 109A)」で大丈夫です)
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 次に「Set WiFi Country」ボタンを左クリックします。
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WiFi Country Code」画面が出てくるので、Countryを「JP Japan」に設定して「OK」ボタンを左クリックします。
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 全部の設定が終わったら右下にある「OK」ボタンを左クリックし、出てくるダイアログで「Yes」ボタンを左クリックしてRaspberry Piを再起動させます。
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 再起動が完了すると、以下のようにメニューなどが日本語表示になります。
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3:ディスプレイサイズの設定を行う
 2での再起動が完了したら、画面左上にある「LXTerminal」のアイコンを左クリックして起動させます。
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 黒い画面の「LXTerminal」が立ち上がるとキーボードでコマンドを入力することができるので、以下のコマンドを入力して実行します。

$ sudo leafpad /boot/config.txt

 すると「config.txt」を開いたテキストエディタが立ち上がるので、スクロールした先にある「hdmi_group」と「hdmi_mode」のところの「#」を消して適切な値に書き換えます。基本的には「hdmi_group=2」で「hdmi_mode」は接続しているモニターの解像度に合わせてください。
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 hdmi_modeの値は以下のページ内を「These values are valid if hdmi_group=2」というキーワードで検索した先にある解像度一覧を参考に入力してください。

「config.txt」の編集が終わったら上書き保存し、テキストエディタを終了させます。


4:WiFi接続の設定を行う
 続いてWiFi接続設定を行います。
「LXTerminal」を立ち上げて以下のコマンドを入力して実行します。SSID名やパスワード、その他のコマンド部分などの打ち間違いに注意してください。

$ sudo sh -c “wpa_passphrase {SSID名} {パスワード} >> /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf”

 例として接続させたいWiFiSSID名が「HogeWiFi」、パスワードが「Password123」の場合は以下のようなコマンドになります。

$ sudo sh -c “wpa_passphrase HogeWiFi Password123 >> /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf”

 上記のコマンド実行後、以下のコマンドを実行して作成されたファイルを開きます。

$ sudo leafpad /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf

 コマンドがちゃんと実行されていると以下のような内容になっているので、赤枠で囲った「#psk=...」となっている行を削除して上書き保存します。
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 上書き保存したらテキストエディタを終了させます。

 ファイルの編集が終わったら左上のRaspberry Piのボタンを左クリックして「Shutdown」ボタンを左クリックします。
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 出てきたダイアログの「Reboot」ボタンを左クリックしてRaspberry Piを再起動させます。
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 再起動させてデスクトップが表示されると、3のディスプレイ設定が適応されています。

 また起動させてしばらくすると画面右上にあるWiFiアイコンが以下のように接続された状態になります。
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 WiFiのアイコンを左クリックし、ちゃんとコマンドで入力したSSIDWiFiに繋がっているかの確認もできます。
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WiFiに繋がらない場合は「sudo sh -c “wpa...」のコマンド入力が間違えている可能性が高いので確認してください。


5:日本語入力の設定を行う
 WiFiに接続できているのを確認できたら、続いて日本語入力の設定を行います。(以降はネットに繋がっていること前提になります)

「LXTerminal」を立ち上げて以下のコマンドを入力して実行します。

$ sudo apt-get update

 実行してしばらくすると以下のような表示になって、コマンドが完了します。
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 完了したら、続いて以下のコマンドを入力して実行します。

$ sudo apt-get install uim uim-mozc

 実行途中で以下のように「続行しますか?」と尋ねられるので「Yキー」を入力してから「Enterキー」を押して続行させます。
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 コマンドが完了すると以下のように再びコマンドが入力できる状態になります。
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 あとは4の時と同じ手順でRaspberry Piを再起動させます。

 再起動完了後、画面上の部分に「あ」のマークが追加されます。テキストエディタやブラウザなどを立ち上げ、キーボードの「半角/全角」キーを押してから入力すると日本語入力ができるようになっています。
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 以上、かなり長々となってしまいましたが、Raspberry PiのOSを書き込むところから最低限のセットアップまでの方法でした。

 Linux系に慣れていない人にとっては手順が多くてつらいとは思いますが、これは慣れなので仕方ないところです。(自分もコマンドほとんど覚えてない)

 とはいえ、Raspberry PiはちょっとしたPC程度の機能を持つ上にGPIOピンもあって電子工作にも使えるので、扱えるようになっておいた方が色々と活用できると思います。


・参考資料