ソースに絡まるエスカルゴ

貧弱プログラマの外部記憶装置です。

【Blender】音楽編集ソフトとして使う方法

rikoubou.hatenablog.com

 以前の記事で音楽ファイルを扱いました。今回はその音楽部分のみについてのもうちょっと詳しい説明です。まぁBlenderで音楽編集を行うなんて人はほぼいないと思いますが、音楽ファイルを結合したりミックスしたりできるのでその方法を紹介していきます。


1:音楽ファイルを用意する
 まず適当な音楽ファイルを用意します。

 以前の記事で紹介したサイト様の合成音声を使うのも良いと思います。
rikoubou.hatenablog.com

 BGMとかが欲しい場合は自分が適当に作ったこの音楽ファイルをダウンロードしてください。
test.m4a - Google ドライブ

 今回は上記のBGMと合成音声で「こんにちは」と作成したファイルと「こんばんは」と作成した2つのファイルを扱うことにします。


2:音楽ファイルをBlenderに読み込ませる
 Blenderを起動させたら3D Viewの左下にあるところから「Video Sequence Editor」を選択します。
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 Video Sequence Editor画面に切り替えたら「Add」→「Sound」を選択します。
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 ファイル選択画面で読み込ませたいファイルを選択して「Add Sound Strip」ボタンを押してファイルを読み込ませます。ここでは1で提示したBGMのファイルを選択しています。
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 すると音楽ファイルが読み込まれます。ただこのままだとわかりにくいので、左上の「+」のところを左クリックしてメニューを表示させます。
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 メニューを表示させたら「Sound」の「F」のところを左クリックしておきます。これをやらないとBlenderファイルを再び開いた時にもう一度ファイルを読み込まないといけなくなります。
 また「Draw Waveform」にチェックを入れて波形を表示させます。
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 これで他の音楽編集ソフトのように波形が表示されます。
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 同様のやり方で合成音声で作成した2つのファイルも読み込みます。緑色のフレームを移動させることで、任意のフレームの部分に音楽ファイルを読み込ませることができます。
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 合成音声も読み込ませるとこのようにになります。
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 すでに音が流れているフレームに音楽ファイルを追加しようとすると別のチャンネルになっていることがわかります。
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 Video Sequence Editor画面で特定の音楽ファイルを選択する場合は、3D Viewでオブジェクトを選択する時と同じように「右クリック」で選択できます。

 各音楽ファイルのVolumeやPitch、Trimなどもできます。
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 細切れになっている音声ファイルを繋げ合わせたりなど、この画面上で編集していきます。


3:ファイル出力
 2で編集した内容をファイルに出力します。

 ファイルの出力方法は「Sceneアイコン」の「Audio」を左クリックします。
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 保存場所を選択します。
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 ファイルの出力形式は左側にあるプルダウンから変更できるので好きな形式を選択してください。
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 今回はContainerは「mp3」、Formatは「S32」にしました。(Formatはとりあえず大きい数値に設定した方が音質がよくなるみたいです)
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 出力形式の設定も終わり、保存ファイル名を入力したら右上にある「Mixdown」を左クリックします。
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 するとBlenderで作成した音楽ファイルが指定した保存先に出力されます。


 以上がBlenderを音楽編集ソフトとして使う方法です。

 Video Sequence Editorにはまだ色々と機能があるようなので、より複雑なことをしたい場合は調べてみるとよいと思います。


・おまけ
 モデルに口パクさせる前提でBlender上で作成した音声ファイルは、出力形式は.wavにしておいた方がよいです。
 というのも他の形式だと、実際にBlender上で鳴らしている音と口パクがずれてくる場合があるからです。

 なので、口パクさせるような音声ファイルでは生データである.wav形式で出力させることをおすすめします。


・参考資料


・関連記事
rikoubou.hatenablog.com

【Blender】Dope Sheetに登録したキーフレームのコピー方法

 アニメーションを作成する時にDope Sheetにキーフレームを登録して行きますが、同じ動作を繰り返したい時などがあるかと思います。なので今回はキーフレームのコピー方法についてです。


1:コピーさせたいアニメーションを作成する
 まずはコピーさせたい複数のキーフレーム(一連のアニメーション)を作成していきます。
 Blenderを起動させた時に出てくるCubeを利用します。

 Blenderを起動したら左下のところから「Dope Sheet」を選択します。
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 Dope Sheetが表示されたら1フレーム目になっていることを確認し、3D View上で「i」キーを押して「Location」を選択してCubeの初期位置を登録します。
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 1フレーム目にキーフレームが登録されました。
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 次に適当なフレーム数(ここでは20フレーム目)までフレームを移動させ、Cubeの座標を変更して先ほどと同じように3D View上で「i」キーを押して「Location」を選択してCubeの位置を登録します。
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 ここまでできたら「Alt+Aキー」でアニメーションを再生してみます。以下のようにCubeが動きます。
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2:キーフレームのコピー
 Dope Sheetのコピーしたいキーフレームをマウスの右クリックで選択します。複数選択する場合は「Shift+右クリック」で選択します。また「Dope Sheet Summary」の◇の部分を選択すると、そのキーフレームを全て選択することができます。
 今回は以下のように全てのキーフレームを選択しました。
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 コピーするキーフレームを選択した状態で「Shift+Dキー」を押すと、以下のように選択したキーフレームをコピーすることができます。
 マウスカーソルを動かして移動させ「左クリック」で確定させます。
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 この状態で「Alt+Aキー」を押してアニメーションを再生すると、ちゃんと動きが繰り返されていることがわかると思います。
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3:その他のキーフレームコピー方法について
 検索してよく出てくるキーフレームのコピー方法は「Ctrl+Cキー」でキーフレームのコピー、「Ctrl+Vキー」でキーフレームのペーストでキーフレームのコピペを行うというものです。
 しかしこの方法を行うと時々ちゃんとキーフレームがコピーできない症状が発生します。(なぜそうなるのかはわかりませんが)
 なのでキーフレームのコピペは2で説明した「Shift+Dキー」でコピーする方が安全だと個人的には思っています。


 以上がキーフレームのコピー方法です。よくある方法でコピペしたけど、なんかちゃんとコピーできてない場合はこの方法をお試しください。

【Blender】音に合わせてオブジェクトを動かす方法

 今日も今日とてBlenderのお話です。今回はタイトル通りに音楽ファイルの扱い方とその音に合わせてオブジェクトを動かしたりする方法の備忘録です。
 また予めお伝えしておきますがBlender上で音をつけてもレンダリング時には音が付かない」ので注意してください。音に合わせて動くようにしたとしてもレンダリングして出力した動画と音を別ソフトなどで合成する」必要があります。

・2018/07/17:追記
 実は音付きでもレンダリングできることがわかりました。以下の記事でやり方を書いています。
rikoubou.hatenablog.com


1:音楽ファイルを用意する
maoudamashii.jokersounds.com

 なんでも良いのですが今回はフリーで使える「魔王魂」さんの楽曲をお借りすることにします。
 以降の内容は「魔王魂」さんの「ジングル13」という楽曲を使用します。


2:オブジェクトの準備
 Blenderを起動させて出てくる立方体を使っていきます。

 Blenderを起動させたら「Edit Mode」に切り替えます。
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「Edit Mode」に切り替えたら、立方体の上部の1点を右クリックで選択し、残りの3点を「Shift+右クリック」で選択していきます。
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 その状態のまま3D View上で「Ctrl+Gキー」を押して「Assign to New Group」を選択してグループ化します。
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 次に「Modifiersアイコン」を選択し「Add Modifier」を左クリックします。
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 出てきたプルダウンの中から「Simple Deform」を選択します。
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 タブの「Stretch」を選択します。
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「Vertex Group」の左にあるマークをクリックして、先ほど作成したグループである「Group」を選択します。
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3:アニメーションの設定
 2までできたら左下にあるところから「Dope Sheet」を選択します。
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「Simple Deform」の「Factor」のところにマウスカーソルを合わせた状態で「iキー」を押して、キーフレームを登録します。
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「Factor」のキーフレームが登録されていることを確認したら左下にあるところから「Graph Editor」を選択します。
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「Graph Editor」の音に合わせて動かしたい項目のみが選択されている状態(ここでは「Factor」のみ)で、「key」→「Bake Sound to F-Curve」を選択します。
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 ここで使用する音楽ファイルを選択し、「Bake Sound to F-Curves」ボタンを左クリックします。
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 すると、このようにグラフが追加されます。
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 ここまでできたら再生してみましょう。「Alt+Aキー」でアニメーションが開始されます。
(ちなみにもう一度「Alt+Aキー」で停止、「Shift+←キー」で最初のフレームまで移動、「Shift+→キー」で最後のフレームまで移動ができます)
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 音自体は流れませんが、音に合わせて立方体上部が動いているようには見えます。
 ただしこのままだとちゃんと音に合っているかがわからないので、Blender上でも音が聞こえるようにします。


4:Blender上で音を流す
 3D Viewのプルダウンから「Video Sequence Editor」を選択します。
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 以下のような画面になるので「Add」→「Sound」を選択します。
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 3の手順の時と同じ音楽ファイルを選択し「Add Sound Strip」ボタンを左クリックします。
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 すると音楽ファイルが取り込まれます。
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 次に「Video Sequence Editor」画面の左上にある「+」のところを左ドラッグします。
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 すると様々な設定項目が出てきます。
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「Sound」の項目のファイル名の横にある「F」ボタンは必ず有効にしてください。(「F」ボタンを有効にしないと再びファイルを開いても音楽ファイルが読み込まれていない状態になります)
 また「Draw Wavefrom」にチェックを入れると、他の音楽編集ソフトのように波形が表示されます。
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 この他にも「Volume」などの項目もあるので各自調節してください。

 ここまで出来たら再び「3D View」を選択して3D View画面に戻ります。
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 その状態で「Alt+Aキー」で再生すると、ちゃんと音が流れることがわかると思います。


5:レンダリング時の注意
 冒頭でも書きましたが、ここまで出来た状態でレンダリングしても音と一緒に映像は出力してくれません。
 一度映像のみを出力したあとに、同じ音源を合成するという作業が必要になります。


 以上が音に合わせてオブジェクトを動かす方法です。今回はCubeの上面部分だけを動かしましたが、オブジェクトの移動や回転、大きさなどを選択した状態で「key」→「Bake Sound to F-Curve」を設定してあげると同じように動かすことができます。

 音楽ファイルを読み込む際に周波数の閾値も設定できるようなので、そのあたりは参考資料を参照願います。

 この技術を応用すれば3Dモデルの口パクなどにも使えるよ思います。


・参考資料

【映画鑑賞】リズと青い鳥の感想と考察

www.youtube.com

普段こういう感想文みたいなのはやらないのですが、あまりに素晴らしかった作品なので少し自分なりの感想をまとめたいと思います。ちなみにこの記事執筆時点で2回鑑賞しています。

記事の内容として「ネタバレしまくり」でいくので、未鑑賞の方は読まないようにお願いいたします。

これは一個人の意見であり、間違えている部分など多々あると思いますのでご了承ください。また記事中に出てくる画像は全てPVからキャプチャしたものです。


それでは始めます。


1:リズと青い鳥とはどういう話なのか
 見た人はわかると思いますが、この物語は「鎧塚みぞれと傘木希美の関係性が変わる瞬間を描いた作品」です。

 劇中の絵本である「リズと青い鳥」という物語に合わせて進み、どちらもリズでどちらも青い鳥でいずれ別々の道へと進んで行く、今までの関係と決別するというお話です。みぞれの視点からすると「希美に対する依存からの旅立ち」、希美の視点からすると「才能あるみぞれに対する絶望と諦め」という内容です。

 最初はみぞれ視点でお話が進み、みぞれがリズ、希美が青い鳥という風に進んで行きます。しかしみぞれがオーボエのソロパートの表現方法に気づいた時、みぞれが青い鳥、希美がリズという関係に逆転します。作中で一番の衝撃のあるシーンですね。
 そして長丁場の演奏シーンで希美は実力差に絶望するわけです。理科室での大好きハグでの会話で希美はみぞれに対して「私はみぞれのオーボエの音が好き」と旅立たせる決意を伝えます。そしてそれをみぞれは受け入れ、飛び立つ決意をします。
 あとおそらくですが、希美もみぞれに依存していたんだと思います。「みぞれに頼られている」という立場でいることが自分のアイデンティティの一部になっていたのでしょう。だから実力差を見せつけられたのと、私に頼らなくても飛べるんだ、ということの二重のショックを受けたのだと思います。

 そういう関係性が変わりながらも、ラストシーンで互いに向き合って終了という流れです。派手なシーンは演奏シーンぐらいで地味といえば地味な作品ですが、二人の関係性を本当に細かく丁寧に描いている素晴らしい作品です。


2:みぞれと希美の癖について
 みぞれと希美の癖は何度か出てきます。みぞれは両サイドの髪を手で掴む癖、希美は癖というか足をぶらぶらさせたり手遊びをしたりという感じです。
 みぞれの髪を手で掴む癖については確証はないですが、良くも悪くも心が動いた時に触っていたように思います。OPのところは綺麗なものを見て感動して触る、それ以降は基本的には「否定、反論」をしたりする時に触っていました。
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 次に希美の癖というか足をぶらぶらさせたり手遊びをしたりというシーンですが、これは一般的なものと同じで「言い淀んだり、誤魔化したり」というような場合に用いられています。


3:上手・下手の表現について
 画面には「上手・下手」という概念があります。観客が見ている右側が上手、左側が下手となります。基本的に上手は「強い、格上」みたいな意味合いがあり、下手は「弱い、格下」みたいな意味があります。また下手から上手への移動は「困難に立ち向かう」みたいな意味合いもあります。このようなことは参考資料にある富野由悠季著「映像の原則」という本に詳しく書かれてあります。
 では人物配置においても上手・下手で意味合いがあることを簡単に説明した上で、リズと青い鳥をこの上手・下手の面で見てどうだったかを語りたいと思います。(記憶違いの可能性もあるのでご了承ください)

 まず音楽室に入るまでの希美とみぞれの長尺の歩きです。移動方向は下手→上手で希美が先を行く上手側、みぞれがあとを追う下手側という配置で長時間歩きます。時々俯瞰になったりした時にこの関係が一瞬崩れたりもしていたような気もしますが、基本的にはこの位置関係は守られています。
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 これを映像の原則の論に当てはめてみると「先頭を切って困難なことに立ち向かう希美とその後を追うみぞれ」という関係になります。つまりみぞれは希美に対して憧れを感じているということが画面でも表現されているということです。また途中の昇り階段でも先をゆく希美が当然のように位置的にも上になります。そういったカットを入れるところからもみぞれより希美が上の存在として描かれています。

 しかし音楽室に入ったらその関係は変わります。指揮者から見た位置関係だとみぞれが上手、希美が下手の位置に席があります。オーケストラの配置としてたまたまなのかもしれませんが、後々の実力差という話に合致した位置関係になっています。
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 基本的には正面からのカットが多いのでこのみぞれが上手、希美が下手という関係性は崩れませんが、時々後ろからのカット(背中しか映らないカット)が出てきます。
 この背中からのカットは個人的には「みぞれの主観」のカットだと思います。みぞれの主観としては希美の方が憧れの存在なので希美が上手に位置していると考えると自然です。
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 そして話が進み希美が新山先生に「音大受けたいんです」と告げても音大を薦められなかったあたりから、希美の移動方向が画面左向き(下手方向)ばかりになっていきます。(というか、タイトル前までの歩きぐらいしか希美は上手に向かって移動してなかった気が)
 理科室での大好きハグのシーンでも希美は下手側にいるので、映像としては残酷なまでに「みぞれとの実力差」を表現しています。
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 ラストシーンではOPの追いかけっこの逆を行くように、二人は下って行きます。そして階段のところで立ち止まって二人で話すところではみぞれが上、希美が下という位置関係で実力差が明確になっています。しかし希美はそこで「精一杯支えるから」と実力差を受け入れています。そして坂を下って行く途中で初めて希美がみぞれに振り返ったところで終わります。これは間違いなく二人がようやく「向き合えた」ということをそのまま直接的に表現しています。disjointのdisが消えてjointになるということです。

 反対に面白いのは剣崎梨々花とみぞれの関係です。みぞれが教室で色々作業しているシーンでは梨々花が上手、みぞれが下手になっています。これは梨々花のがグイグイいくキャラなので押す力が強いというのを映像として表現しているのだと思います。あと梨々花が登場する度に陽気な曲がかかるのも、ちょっとしたギャグっぽくなっていて一息つけるシーンになっています。
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 この他にも希美が吉川優子と中川夏紀に「自分勝手だ」と言われるシーンなど、各キャラの立場によってちゃんと高低差や上手・下手がちゃんとコントロール、表現されていたと思います。
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 以上、2回目の観賞中に色々思っていたことをとめどなく書き出してみました。まだ書ききれていない部分とかもっと詳しく書きたい部分もありますが、この時点ですでに長ったらしい文章になってしまっているので割愛します。画面のコントロールが凄まじくうまくいっている作品だと思います。

 とにもかくにも、リズと青い鳥はアニメオタクなら見ておくべしという作品なので、皆さん是非映画館で見ましょう。音響もすごいです。


・参考資料

【合成音声】テキストを音声に変換するサイトの紹介

 最近Blenderばかりだったので、今回はちょっとした便利サイトの紹介です。


■テキスト→音声 変換
 今回紹介するのは株式会社シーマンさんのサイトのCONTENTSの中にある「テキスト→音声 変換」です。

 使い方は簡単で、テキストを入力して男声、女声などの設定をプルダウンから選択していって「テキストを音声に変換する」というボタンを押せば、テキストを読み上げる合成音声が作成されます。
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 様々な形式の音声ファイルをダウンロードできるため、ちょっとした文章の読み上げなどには役に立つと思います。


■商用利用について
 こちらのサイトで作成した合成音声について、商用利用も可能だと書かれています。ただし作成した合成音声を使用する場合は以下の表記が必要ということです。

 ライセンス部分の重要な部分だけ赤線を入れていますが、ちゃんと全文を読むようにしてください。
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 要約するとこちらのサイトで作成した合成音声を使用する場合は、以下の表記が必須ということになります。そしてこの表記があれば商用利用もできるということになります。
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 以上が今回紹介したかった合成音声を作成するサイトです。

 ライセンス関係はちょっと自分に知識がないため、間違っている可能性もあるので各自で確認をお願いします。


・参考資料

【Blender】Dope Sheetに登録したキーフレームの移動方法

 今回はタイトルの通りDope Sheetに登録したキーフレームの移動方法です。動きは良いけどタイミングが遅い、早いなどの場合は登録したキーフレーム自体を動かす必要が出て来るので備忘録として残しておきます。


1:キーフレームを選択する
 Dope Sheetにキーフレームを登録すると以下のように黄色の◆が現在のフレームに登録されます。
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 この◆をマウスの右クリックすることで選択/非選択の状態にすることができます。◆が黄色だと選択状態、白色だと選択されていない状態になります。
(以下の画像では20フレーム目のCubeのScalingのみが選択されている状態になります)
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「Shift+右クリック」で複数選択も可能です。また一番上のオレンジ行の「Dope Sheet Summary」の部分を右クリックすると、そのフレーム目の全てのキーフレームを選択することができます。
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 これらの方法で移動させたいキーフレームを選択します。


2:選択したキーフレームを移動する(「Gキー」)
 1で移動させたいキーフレームを選択した状態でDope Sheet上で「Gキー」を押し、マウスを移動させるとキーフレームを移動させることができます。
 移動させたところで「左クリック」をするとキーフレームの移動を確定させることができます。
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 以上がキーフレームの移動方法です。動きの細かい調整には必要になってくるので、覚えておいた方がよさそうです。


・参考資料

【Blender】剛体破壊シミュレーションの方法

 今までBlenderで剛体のシミュレーションの記事は書きましたが、今回は破壊させるシミュレーションをやってみたのでその備忘録です。

 また、以下の記事の最後の方にある私が自作したアドオンを有効にしておくと今回の作業が楽になります。
【Blender/python】Blenderの自作アドオンの作り方(その3) - ソースに絡まるエスカルゴ

 ちなみにこんな感じのものを作ります。
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 それでは説明していきます。


1:必要なアドオンを有効にする
 今回の剛体破壊シミュレーションには「Cell Fracture」アドオンを使用します。

 Blenderを起動させたら「File」→「User Preferences」を選択します。
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「Add-ons」タブを開き、検索のところに「cell」と入力して出てきた「Cell Fracture」にチェックを入れます。そして「Save User Settings」ボタンを押して設定を保存します。
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 これでBlenderを再起動させてもこのアドオンは有効になったままになります。


2:必要なオブジェクトを作成して色をつける
 まずは必要なオブジェクトを作成してわかりやすいように色をつけます。

 Blenderを起動したら出てくる「Cube」を選択した状態で「Objectアイコン」を左クリックし、LocationのZの値に「1」を入力します。
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 次に左側にある「Create」→「Plane」を選択します。
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「Plane」が追加されるので「Objectアイコン」を選択してScaleを調節します。ここでは全て8にしました。
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 続いて左側にある「Create」→「UV Sphere」を選択します。
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Sphere」が追加されますが、Cubeに隠れて見えないのでぶつけたい位置にまで移動させます。
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 これで必要なオブジェクトは揃ったのでわかりやすいように各オブジェクトに色をつけていきます。

Sphere」を選択した状態で「Materialアイコン」を選択して「New」ボタンを左クリックします。
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 するとMaterialが追加されるので「Diffuse」のパレット部分を左クリックします。
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 色の選択ができるので色を選択します。ここでは赤っぽい色にしました。
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 やらなくてもよいですが、管理しやすいようにMaterialの名前をダブルクリックして「sphere」に変更しました。
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 同様のやり方で「Cube」と「Plane」にもMaterialを追加して色をつけます。

 以下のように「Cube」は青、「Plane」は白っぽい色に設定しました。
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3:ぶつけるオブジェクトを破壊対象のオブジェクトの子にする
 今回は「Sphere」を「Cube」にぶつけて破壊したいので、「Sphere」を選択した状態で「Shift+右クリック」で「Cube」を選択します。
 その状態で「Ctrl+Pキー」から「Object」を選択します。
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 これで破壊対象のオブジェクト(Cube)が親、ぶつけるオブジェクト(Sphere)が子という関係になりました。
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4:Cell Fractureアドオンを使って破片を作成する
 3までできたら「Cube」のみを選択した状態で左側の「Tool」→「Cell Fracture」を選択します。
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 設定画面が表示されるので「Child Verts」タブを開いて「Source Limit」を153、「Noise」を1に設定して「OK」ボタンを押します。
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 するとアウトライナーに「Cube_cell.001」というような名前でオブジェクトがたくさん追加されます。
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 この状態で3D Viewの下にある画像の部分を左クリックしてレイヤーを切り替えます。
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 レイヤーを切り替えるとこのように破片のオブジェクトが表示されました。アドオンを使って作成された破片は別のレイヤーに作成されていたことになります。
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5:破片の剛体設定を行う
 破片のレイヤーに切り替えた状態で破片のうちの一つ(どこでもよい)を右クリックで選択します。
 その状態で「Physicsアイコン」から「Rigid Body」を選択します。
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 追加して出てきた中のスクロールさせた先にある「Rigid body Dynamics」の「Enable Deactivation」と「Start Deactivated」にチェックを入れます。
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 設定が終わったら3D Veiw上で「Aキー」を2回押して破片全てを選択した状態にします。
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 破片全てを選択した状態で左側の「Physics」→「Copy from Active」を選択します。
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 すると破片全てが緑の枠になり、一つだけやった剛体の設定が全部に適応されます。
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6:他のオブジェクトの剛体設定を行う
 破片の設定が終わったので、元のレイヤーに戻るために3D Viewの下にある画像の部分を左クリックします。
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 元のレイヤーに戻ったら「Sphere」のみを選択した状態で「Physicsアイコン」→「Rigid Body」を選択します。
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「Rigid Body」の「Animated」にチェックを入れます。
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 次に「Plane」のみを選択した選択した状態で「Physicsアイコン」→「Rigid Body」を選択します。
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「Rigid Body」のプルダウンから「Passive」を選択します。
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 これで全てのオブジェクトの剛体設定が終わりました。


6:ぶつけるオブジェクトの位置をキーフレームに登録する
 キーフレームを見やすくするために左下から「Dope Sheet」を選択します。
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 キーフレームを1に合わせます。
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 この状態で「Sphere」のみを選択し、初期位置としたいところまで移動させます。
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 移動させたら3D View上で「iキー」を押して「Location」を選択して現在位置をキーフレームに登録します。
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 1フレーム目にキーフレームが登録されました。
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 同様の方法で20フレーム目で「Sphere」を移動させてから現在位置をキーフレームに登録します。
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 ここまでできたら左下のところから「Timeline」に切り替えます。
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 切り替えたら破片のあるレイヤーを「Shift+左クリック」で選択します。これで破片のレイヤーも同時に表示されるようになります。
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 この状態でタイムラインの「▶︎」ボタンで再生してみます。
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 すると以下のように球体がぶつかると破片が飛び散る動きができました。
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 Cubeが残ったままですが、単に破壊シミュレーションを行うだけであればこれで終わりです。
 Cubeを残したままにしたくない、レンダリングもちゃんとしたいという場合は以下の手順が必要です。


7:破壊対象の元の形を残さないようにしてレンダリングする
 破壊対象の元の形が残っている理由は「ずっと見えるようにしているから」というだけです。
 要は「ぶつかる直前までは元の形のみを表示、ぶつかったあとは破片のみを表示」という風にすれば良いのです。

 6で動きを確認したら、左下のところから再び「Dope Sheet」を選択します。
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 フレームを動かして破壊対象に接触する直前のフレームと直後のフレームを割り出します。移動量やぶつけるフレーム数などによって違ってくるので各自で確認してください。
 自分の場合は9フレーム目までは当たっておらず、10フレーム目から破片が飛び散っていることがわかりました。つまり「9フレーム目までは元の形を表示、10フレーム目以降は破片のみを表示」すれば良いということになります。
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 フレームの確認ができたら、まずは元の形のCubeのレンダリング時の表示、非表示を設定します。

 今は両方のレイヤーが表示されているので、破片のレイヤーのみを左クリックして無効にします。
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 9フレーム目であることを確認し「Cube」を選択した状態でアウトライナーの「カメラアイコン」にマウスカーソルを乗せた状態で「iキー」を押してキーフレームに登録します。キーフレームに登録されると黄色になります。
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 次に1フレーム目まで移動させ同じように「Cube」の「カメラアイコン」にマウスカーソルを乗せた状態で「iキー」を押してキーフレームに登録します。
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 続いて10フレーム目まで移動させ「Cube」を選択した状態でアウトライナーの「カメラアイコン」を左クリックして無効化します。
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 この状態で同じようにマウスカーソルを乗せた状態で「iキー」を押してキーフレームに登録します。

 これでレンダリング時に1から9フレーム目までは「Cube」を表示、10フレーム以降は非表示という設定になりました。

 同様に破片についても1から9フレーム目までは非表示、10フレーム以降は表示にする設定を行います。

 破片のレイヤーをクリックして切り替えます。
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 9フレーム目まで移動させ、3D View上で「Aキー」を押して破片全てを選択します。
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 この状態で「Cube_cell.001」の「カメラアイコン」のところにマウスカーソルを持っていき「Alt+左クリック」をして選択中の全ての破片のカメラアイコンを無効にします。
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 これをキーフレームに登録していくのですが、破片の一つ一つのカメラアイコンを「iキー」を押して登録していくのは疲れるので、最初にのせてある記事の自作アドオンを使います。

 全ての破片を選択した状態で「Object」→「Insert Restrict rendering」を選択します。
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 選択したあとにフレームを少し動かすとキーフレームが登録されているのを確認できます。
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 次に1フレーム目に移動して同じように「Object」→「Insert Restrict rendering」を選択してキーフレームを登録します。
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 続いて10フレーム目に移動して「Cube_cell.001」の「カメラアイコン」のところにマウスカーソルを持っていき「Alt+左クリック」で有効に戻します。
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 そして同様に「Object」→「Insert Restrict rendering」を選択してキーフレームを登録します。
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 最後にレイヤーのところを「Shift+左クリック」でどちらも有効にします。
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 これでレンダリング時の表示/非表示の設定が終わりました。あとはカメラの位置や動画の長さを調節してレンダリングするだけです。

 カメラを調節して動画として出力すると以下のようになります。元の形が残ることなく破壊されているのがわかると思います。
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 以上が剛体破壊シミュレーションの方法です。詳しく説明しているので長々となっていますが、順番さえ覚えれば10分程度でできるようになると思います。
 また自分が作成したアドオンを使えば表示、非表示のキーフレーム登録がかなり楽にできると思うのでよければ使ってください。


・参考資料
www.youtube.com