ソースに絡まるエスカルゴ

貧弱プログラマの外部記憶装置です。

【Blender】Blender2.8のグリースペンシルを使ってみる

 お久しぶりです。ちょっと更新の期間が空いてしまいました。
 今回はタイトルにある通り、最近Twitterなどでも話題のBlender2.8でのグリースペンシル機能を使って見た時の備忘録です。

 ただし、「Blender2.8はまだ正式にリリースされていないもの」なので、突然落ちたりバグがあったりなど予期せぬことが起きても自己責任ということになるので理解をお願いします。

 またBlender2.79での知識が前提という想定で進めます。

 では始めていきます。


1:Blender2.8でのグリースペンシルの特徴
 Blender2.8でのグリースペンシルの特徴を挙げていきます。

・グリースペンシル自体がオブジェクト
 2.79との最大の違いはグリースペンシルがオブジェクトになったことです。これによりグリースペンシルにモディファイアを追加したり、ノードを使って色々な処理を追加したりできるようになりました。

・色はマテリアルで管理
 グリースペンシル自体がオブジェクトになったためか、グリースペンシルの色はマテリアルで管理するようになりました。つまり色を追加する場合は新たなマテリアルを作成することになります。

・塗りつぶし機能の追加
 他のペイントソフトでは標準的な機能ですが、2.79時代にはなかった塗りつぶし機能がついに追加されました。ただし塗りつぶしをする色のマテリアルはちょっと工夫をしないといけないので注意が必要です。

 自分が確認した中ではこれらが一番大きな特徴です。


2:Blender2.8をダウンロードする
 Blender2.8はまだ正式にリリースされていないものなので、Blenderの公式ページからはダウンロードリンクはありません。

 Blender2.8は以下のページからダウンロードできます。「Blender2.8」のマークがついているものの中から、OSに合ったリンクをクリックしてダウンロードします。

 自分の場合はMacなので以下のリンクからダウンロードします。
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 ダウンロードしたファイルを解凍すると、Blender2.8の実行ファイルが入っています。
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3:Blender2.8でのグリースペンシル画面の起動方法
 2でダウンロードしたBlender2.8を実行すると以下のような起動画面になります。
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 Blender2.79とはもはや別物になってるので戸惑うかと思いますが、起動した時に表示されている「2D Animation」を左クリックします。
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 すると以下のような2D Animation用の画面になり、すぐにグリースペンシル機能を使えるようになっています。
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 まずは画面内の説明からしていきます。

 以下の①がグリースペンシルのレイヤーです。起動画面の「2D Animation」で立ち上げた場合、LinesとFillsの2つのレイヤーがあります。
 ②が色です。マテリアルになっており、デフォルトでのいくつかの線の色と塗りつぶし用の「Grey」があります。
 ③がドープシート部分です。2.79の時と同じようにキーフレームにグリースペンシルを登録してアニメーションさせることができます。
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 他のペイントソフトのように左クリックをした状態でマウスを動かすと、以下のように線を書くことができます。
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 左側でペン先や塗りつぶし、消しゴムなどを選択でき、右下のところで色を選択できます。
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 これで適当な線を書いたり消したりはできるかと思います。塗りつぶしはちょっと注意が必要なので次で説明します。


4:Blender2.8でのグリースペンシルの色と塗りつぶし
 先に述べたように2.8でのグリースペンシルの色はマテリアルとして管理されています。

・色の追加
 色の追加は色が表示されているところの「+」ボタンを左クリックします。
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 新しい空のマテリアルスロットが作成されるので、下の「New」ボタンを左クリックします。
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 マテリアルが追加されました。
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 追加したマテリアルを選択した状態で下にスクロールすると、StrokeとFillの項目があります。Strokeは線の色、Fillは塗りつぶしの色の設定です。
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 例えば以下のようにStrokeのColorを左クリックして色をピンクに、FillのColorを左クリックして黄色に設定してみます。この時Fillのアルファ値を1にして表示させておきます。
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 設定したマテリアルを選択した状態で線を書くと、以下のようにStrokeで設定した色の線が引かれ、囲まれた内側がFillで設定した色で塗りつぶしされます。
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 この状態でFillのアルファ値を0に変更すると、以下のように塗りつぶしの色が見えなくなります。
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・塗りつぶし
 塗りつぶしたい色のマテリアルを選択した状態で左側にある「バケツ」アイコンを左クリックします。(現在選択中のマテリアルのFillのアルファ値は0になっています)
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 この状態で塗りつぶしたい範囲を左クリックすると、以下のようにStrokeの線の部分のみが表示されるばかりになります。(左クリックを連打しています)
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 次にFillのアルファ値を1にした状態で塗りつぶしを行うと、以下のようにStrokeのピンク色の線が外縁となり、その内側がFillの色で塗られます。
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 つまり、線のみの色を作成したい時は「Strokeの色を設定し、Fillのアルファ値を0にする」ようにし、塗りつぶしの色を作成したい時は「StrokeとFillの色を同じに設定し、Fillのアルファ値を1にする」ということになります。


5:Blender2.8でのグリースペンシルアニメーション
 まずはオニオンスキンの設定です。

 レイヤーが表示されている部分をスクロールさせていくと「Onion Skinning」という項目があるので、これにチェックを入れるとオニオンスキンが使えるようになります。
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 これでオニオンスキンが使えるようになったので、あとは2.79の時と同じようにキーフレームにグリースペンシルを登録していけばよいです。

 適当に自分が作ってみたのが以下になります。
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6:Blender2.8でのグリースペンシルアニメーションのレンダリング
 レンダリングして動画として出力する場合は、「カメラ」アイコンを左クリックして表示された中をスクロールして以下の②〜④の設定を行います。
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 ②で出力ファイル名を設定します。
 ③「File Format」のプルダウンを「FFmpeg video」に変更します。
 ④「Encording」の「Container」のプルダウンを「MPEG-4」に変更します。

 レンダリングの設定が終わったら、画面メニューの「Render」→「Render Animation」を左クリックするとレンダリングが始まります。
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 レンダリング結果は以下のようになります。

 グリースペンシルのレンダリングした結果の色が暗くなる理由はよくわかりませんが、とりあえずこれで動画として書き出すことができました。


 以上がBlender2.8のグリースペンシルを使ってみた感じです。
 前のバージョンとかなり違っているので戸惑いますが、便利な機能も追加されているので本リリースされたらすぐに使えるようになっておきたいですね。


・参考資料
www.youtube.com